豆腐

まだ夏じゃない

ここ数週間、どうにも体のだるさが抜けなくて、手持ちのサプリメント類をあれこれとガブ飲みしてみたりしたものの一向に快方に向かわず、これはもう内蔵がやばいのでは? と思い、原因はなんだろうと考えると、ああ酒かなこりゃ、と実にスムーズに思い当たり、月曜日からアルコールを断っているわけである。考えてみれば晩酌グセがついてしまって久しく、休肝日というものも最後はいつだったか全く思い出せないくらいほぼ毎日飲酒していたわけで、そらおじさんの内臓も疲れるわな、すまん内臓たち、と反省しきり。そんなわけで気を紛らすためにノンアルビールと称して販売されているクッソまずい炭酸水を毎日飲みまくっているが、案外これはこれで悪くないというか、いや、決してうまいわけではないのだけれど、あれ、おれって甘くなくて冷えてて炭酸入ってりゃなんでもいいんじゃねーか? バカ舌に生まれてよかったー! と、まずい炭酸水のおかげで、手が震えたり冷や汗をだらだらかいたりという禁断症状もなく、この調子でいくらかは体調を戻すことができれば、と考えている。甘言に乗せられてそれじゃあ一杯だけ、なんて言ってるうちに、気がついたらがんじがらめになっているので、げにアルコールとはひとを狂わせる恐ろしい液体であるなあと思う。恐ろしいといえば、これは昔Twitterでも言ったことだが、外にテーブルを出してる居酒屋で同僚たち(イケメン)と飲んでいるときに、煙草を買うついでになんとなく買ったバナナの房(3本)の処遇に困り、それじゃあ道行くひとに配ろうじゃないか! と、こういうことを考えて誰も反対しない時点でアルコールの恐ろしさの片鱗を感じるが、ともかくそういうことなら、と店の前を通る人々にバナナどうすかー、バナナありますよー、と呼びかけるのだけれど、これが笑えるくらい誰も受け取ってくれないもので、いや実際同僚(イケメン)が配る姿を見て爆笑していたのだけれど、一体なにが面白いの? と言われると、いや今となってはおれにもわからん、としか答えられないのだが、まあこれほどに世の人々はバナナを欲していないのか。かわいそうなバナナよ。必ずお前たちの主人を見つけてやるからな、と決心して、同僚たちと交代しながら声をあげ続けたが、結局もらわれていったのは2本だけで、もらってくれたのはどちらも女の子、そしてそのとき配ったのは同僚たち(イケメン)で、おれがバナナどうっすかーと声をかけたら女も男も老いも若きも見向きもしねえので、やっぱ世の中顔だよねーショッギョムッジョ、ていうか普通赤の他人(しかも泥酔している)が配るバナナなんて、そりゃ怖くて受け取らねえわな、うん。と冷静に考えれば納得しきりなのだが、ねえ君、おじさんのバナナあげるよー甘くておいしいよーって言えば、なんぼか違ったかもしれないなと、今になって思う。いや思わないけど。こんなことを考えるのも全部酒が悪い。酒のせいなのでおれは悪くない。ノット・ギルティ。