豆腐

まだ夏じゃない

23:01

RPGの王道だとその理由は様々ではあるが、だいたいラスボスであるところの魔王氏は人間を滅ぼして世界を我が手に、とか言って人間を目の敵にして各地に部下を派遣して人間を排除せんとしているが、もしそれがうまくいったとしたら、そのあと一体どうするのかというのが常々気になっており、だってあれでしょ、魔王さんが世界を支配するということは、人間がいなくなったら今度は魔王さんが各地を統括して魔王さんと魔王さんのところの社員であるモンスターたちが世界を統治するわけでしょ、そしたら愚かなニンゲンどもめ! とか言って見下してた人間と同じことを新たな住人であるモンスター氏たちが繰り返すのは目に見えているわけで、具体的に言えばモンスターさんたちだって腹は減るからめしは喰わなきゃいけなくて、そうなると畑作なり狩猟なりせんといかんのだけれど、そうなるとここはおれの畑だ! なにを言っとるかおれのだ! みたいな諍いや、幼い息子と病弱な妻のためにワーウルフの斉藤さんががんばって狩ってきたイノシシ様の生き物が、実は他種族のモンスターで、うちの子を返してよ! 裁判で最高裁まで争うわよ! スミマセンスミマセン……みたいな悲劇も起こりうるわけで、そうなると都度魔王さんにこんなことあったんすけどどうしましょうって話がきて、いくら魔王さんと言えどもその身はひとつであり、そういった諸々の事情にああせいこうせい言ってるうちにストレスで胃痛や腹痛を覚えるようになり、ガスター10が手放せなくなってしまうことが予想され、それを避けるには問題起こしたり逆らったら一族郎党全員即吊るすから夜露死苦! という超徹底した恐怖政治を行うか、もしくは優秀な部下を書類選考や面接で選んでそいつらに任せるという現実的な対応をすることになるが、恐怖政治なんてものは反発や反感を必ず生むので、いずれ魔王さんに対するモンスターによる叛逆、ジャパンでいうところの一揆が起こり多勢に無勢、魔王さんはいつか討伐されてしまうだろうし、部下に任せるにしてもこれまたジャパンのしょっぱい社内派閥などから分かるように小狡い奴が魔王さんをその座から引きずり降ろそうと画策するのも明らかで、結局魔王さんが一生懸命頑張ってその世界を手中に収めたとしても、そのうち人間とまったく同じ運命を辿ることになるのではという懸念が拭えなくて、これから魔王になろうとしている魔王予備軍の方々におきましては、そのようなことがないよう潤沢な資金を確保したうえで、住宅手当や通勤手当などの福利厚生、資格取得者への手当、心身のケア、賞与の付与等、くれぐれも社員であるモンスターの皆さんをないがしろにすることがないよう、重ね重ね心がけていただきたい。そしてこのように的確なアドヴァイスを行えるおれをスーパバイザとして雇っていただきたい。というかお金だけよこして頂きたい。不労所得で暮らしたい。

広告を非表示にする