豆腐

まだ夏じゃない

23:43

おれとて生まれつきデブであったわけではなく、というか生まれたときのことを言うなら仮死状態でこの世にエントリーしていて、下手をするとこうしてキーボードを叩いてゴチャゴチャ言ってることもなかったわけで、なんとか超リアルMMORPG人生に参加できたのはよかったのか悪かったのかについて考えるとこれはまあよかったんじゃあないかなと思うのだけれど、そうして生まれた瞬間からリタイア寸前であったためか自我が生まれる以前、その記憶すらないころに長期検査を受け、そのせいで長らく食物を口にすることができず、検査が終わったあとそれを不憫に思った両親がいっぱいものを食わせてくれたおかげというかそのせいと言うべきか、幼いころはどこに出しても恥ずかしくない超肥満児体型として稼働していて、その実際豊満であった肉体を見た大人は「大きくなったらお相撲さんになれるな!」などと心ない言葉を口にし、そのたびに幼いおれは傷ついていたわけで、今でこそ角力のかっこよさや強さが理解できるからよいものの、子供にたいして力士になれるなんて言ったところで大抵の子供は角力のクールさを理解できていないからただの悪口にしか聞こえないわけで、あんたがたにはそういうことをしてほしくないと切に切に願うイシガキは地方都市ブラック企業ダイエットで52キロ台まで体重を落として死にかけ、それから10年以上経った今再びポリネシアン力士体型となっていてやはりデブは才能であると確信している次第で、お前らとは地力が違うんだよと思い込むことでなんとかレゾンデートルを保っている34歳のおれが気になって仕方ないのがちゃんこのことで、いやべつにちゃんこ鍋が食いたいというわけではなく、いやおいしいけど、一般的にちゃんこは先述のようにちゃんこ鍋のことを指して使われることがほとんどだが、その実ちゃんこはスモトリが作った料理全般のことであり、たとえばラーメンでもカレーでもカツ丼でもティラミスでも舌平目のムニエル〜季節の香草を添えて〜でも力士が作ればそれはちゃんこということになるわけで、このメソッドを利用すれば、引退した力士をかき集めて調理師免許を取得させ数多の飲食店を彼らに経営させる日本全国ちゃんこ屋計画の実行が可能となり、最近流行りの小洒落たバルや格式高い一見さんお断りの料亭、夜景がきれいなデートスポットレストランなども全部ちゃんこ屋と呼ばざるを得ず、そうすることで様々なメリットがある、と言いたいところだが、ちゃんこは鍋のことだけじゃねーよとおれが我慢ならんというだけの話なので、いろんな店がちゃんこ屋になっても、多少の防犯対策になるかもというのと、あとはうわーお相撲さんでっかいなーと感心するくらいで特にメリットはないと思うので、別に日本全国ちゃんこ屋計画はやらなくてもいいと思う。