豆腐

まだ夏じゃない

23:04

会社に関することは9割方憂鬱で退屈なものだがそのなかでも特に嫌なものとして挙げるなら健康診断であり、生まれつき腎臓の慢性的な疾患をもっている身からすると毎年毎年毎年毎年あんた血尿出てるよと言われてそのたびにアッハイ以前病院で検査を受けたときは日常生活には問題ないと言われてますと答えているのだが、それも今から15年以上前の話で日常生活には支障ないけど年に一回は検査入院しろというお達しを受けたのも事実でしかしながらそのとき以来検査を行っておらずもちろん今年の健康診断もあんた血にょッハイというやりとりをして、改めて持病についてググってみると人工透析に至る原因のひとつであるのでしっかり治療とかやれやボケ死ぬぞという非常に手厳しい情報を知り、さすがに今年くらいはちゃんと検査しないとなあと病院探しをしているわけだが、御存知の通り俺のヤブ医者ヒット打率の高さといったら比類なきレベルであり、幼少期までさかのぼると故郷にあった2件の歯科医院のうちあそこは下手だ駄目だともっぱらの評判であった歯科医院のほうになぜか通い続け、就職とともに移り住んだ道内の地方都市で歯痛を治療するために赴いた歯科医院もまた虫歯なんて削っときゃいいべという態度を露骨に表すタイプで、去年だか一昨年は時間的にそこしか行けねえなあという歯科医院に行ったらやはりとりあえず削ってみるか、痛いかもしれんが知らんがな、という治療方針であり、彼らに共通するのはなぜかとにかく麻酔を使おうとしない点で、特に最後の歯科医院は受付でマスイオナシャス、マスイカケテクッサイオナシャスと確かに何度も頼んだのに医者は前戯なしでドリルを突っ込んできて当然痛いからイテェ! と言うと、そんなに痛くないでしょまたまた〜といった態度であってなんであんな拷問を治療と称して受けねばならんのだ、というかあの歯科医院は院内BGMがゴッドファーザーのテーマであった時点で逃げるべきだったと今になって思うが、とにかく歯科関連のハズレ率はずば抜けていてこの世のあまねく歯医者は麻酔を極力使わずに治療するものだと30年以上に渡って信じこんでいたわけで、そんな刷り込みがある状態で仕事中に詰め物がとれてしまい先輩から聞いた歯科医院にどうせ痛いんだろうと恐る恐る行ってみたら何も言わずとも最初に麻酔をかけてくれるし生まれてはじめて無痛状態での治療というものを体験し、これがゴッドハンドか! といたく感激したのだが、どうも世の中の歯科医院の大半はそのようなものであるようで、やはり俺と歯医者のマッチングがうまくないのは揺るぎない事実で、歯科以外だとニート時代に突然熱が出て、参ったな金ないのにと思いながらドアを叩いた近所の内科はたぶん風邪でもうすぐ熱も下がるから3日分くらい薬出しとくわーとあっさり帰されたが、薬を飲んでみても熱は下がるどころか38〜39度をキープし続け、アカンこれでは俺が死ぬぅ! ともう一度その内科に行くとさすがに医者もおかしいと思ったらしく普通最初にやるんじゃねーのという血液検査をそこではじめて行い、当然結果はまともなはずもなくというかこれアカンやつやということでそのまま別のデカい病院に3週間ほど入院する羽目になって誤診じゃねーか潰れろボケがと全身全霊の呪い念力を今でもたまに送る人生で、ああ思い出した、ごめんねまだヤブ医者の話が続くけどもうちょっとだから我慢してね、突然腰のあたりが激しく痛みだして文字通り転げ回りながら這々の体で駆け込んだのもそのデカい病院で、これ腎臓結石だわ、痛み止め飲んで水分取ってほっときゃ石出て治るから、と言われたもののその後3ヶ月近くに渡って痛みが引かず、とっくに石が出てなきゃおかしいのにそんなものが出た記憶もなく、これ一体なんなんすかねと尋ねた医者が吐いた言葉は、うち専門じゃないから分からんわという素晴らしく正直な感想で、ワシントンだったら親父に褒められたかもしれんが俺はだったらお前最初にそう言えよ何が国立病院だよドクターキリコのほうがまだ真剣に診てくれるわお前んちのパソコンのUSBポートに米詰めるぞっていうか詰まれと白米の呪い念力を10年の長きに渡って飛ばし続けているわけで、ようやくここで冒頭の検査云々の話に繋がるのだが、そんなヤブ医者ハンターの俺が果たしてまともな病院でまともな検査とまともな治療・施術を受けられるのかしら? という疑念が拭えず、しかしここ数年でガッタガタになっている心身のことを思うと黙っているわけにもいかず、しかしどうせヤブ医者にあたるだろうし、と生きながらにして無限という概念を体現してしまったここ最近は腎臓に加えて中性脂肪の値、さらに肝臓の具合もすこぶる悪く、健康ってどんなんだっけ? と深く考えこむ日々が続いております。みなさんも無理はせず、こころと体を大事にしてね。いやほんとにね。おじさんとの約束だぞ。