豆腐

まだ夏じゃない

23:45

幼少の頃からなんか苦手で昔っからその傾向はあったのだが歳を重ねるにつれてそれは色濃いものとなり今ではすっかり忌避の対象となっている、というのは世界一有名なネズミをはじめとした某敵に回したくない企業世界ナンバーワンのあそこのあらゆるキャラクターどものことでそれは修学旅行で行った夢の国がつまらなかったから、というわけではなくなんというかあいつらの無邪気な感じというか何を考えてるのかようわからん、腹に一物抱えているのを完全に隠蔽しているようなあの振る舞いが気持ち悪い、いや正直に言って恐ろしくあり、たとえば俺があのネズミの右頬に全力の拳を叩き込んで振りぬいたとしてもあいつは(一時的には怒るフリ、あるいは困った顔をするかもしれないが)俺の理不尽な暴力をおそらくは許しあの広角がギッと上がったスマイルでハグなんぞしてくるに違いなく、だってあいつが無軌道なすすきののガキどもみたいにマジ切れして胸ぐら掴んできてちょっと来いやオラとか言うところなんて想像つかんでしょうよ、きっと極めてジェントルな態度でキャンディとかよこしてきて仲直りしようぜみたいなこと言うんだよ自分に非がないのは明白なのにさ、でもそういう状況とかあいつのスマイルを想像するとこいつの皮剥いだら中に絶対タールみたいにドス黒い感情の塊詰まってるし、それを知られたら平気で殺してくるんだべ……? と殴ったはずの俺が追い詰められている絵しか浮かばないようになってしまっていて、俺の場合人間は(あいつら人間じゃない連中多いけど)程度の差はあれど多少は隙というか理性ではなく感情に振り回されているところが見えたほうが親しみやすいというか、ああ俺と同じ人間(人間じゃない奴ら多いけど)なんだな、と安心感を覚えるのだけれど奴らは基本的に善意しか見せず、これまで様々な人にあいつらからにじみ出る邪悪さについて説いてきたが同意を得られたことはなく、このままでは貴様ら全員いつか必ず奴らに寝首をかかれるぞと声を大にして言っておきたいが、実際ぼくはあのひとたち(人間じゃねえ輩多いけど)が怖いから近づかないようにしていますというだけの話なので皆さんは気にせずに気軽に殴ったり皮剥いだりパンツレスリングしたりするといいんじゃあないかな。