豆腐

まだ夏じゃない

22:14

10代のころよりメロディックパンクというものを聴きだしてライブに足繁く通い続けて二十年弱、自分はパンクロックに育てられたという自負とパンクロックへの感謝があったし、おそらく死ぬまで俺はこの音楽を聴き続けるのだろうと信じて疑わなかったのだけれど経緯をザックリ省くとその信念というか確信も今はなく、なんていうのかな、ロックってみっともなくてカッコいいものだと思ってるんだけれど、昨今はただみっともないだけに思える瞬間が多々あって、そりゃ音楽と人間は分けて考えるべきだというのはまったくもって正論なのだが俺はそういうことができる人間ではないので、以前は徹頭徹尾狂ったように没頭できたライブもここ数年は事あるごとに冷めるというかそもそも没頭できなくなってしまって、それを老いや感性の死というなら別にそれでいいやと思うし、彼らの音楽は俺にはもう必要なくなった、音楽で補っていたなにかが別のもので置き換えられたというだけなのかもしれないし、その辺のことは多分誰にも分からないことで、ともかく俺は多少の寂しさはあるにせよ今は聴く気がしないからパンクロックというものから距離を置く選択をして、そう決めてからおかげさまでかなり気分が楽になったのでもっとさっさと決めりゃよかった、とスッキリしたところで思い出したのが完全パンクマニュアルで、当時はなんだこれふざけんなよとプンプンしていたけれど、今はフヒヒヒッと爽やかに笑いながら読めるので、誰しもがいつまでも夢見る少女じゃいられないということなんだろう。