豆腐

まだ夏じゃない

18:22

仕事人間であった俺の父は胃がんを患い苦しんで他界したが、俺には想像もつかない痛みのせいか、その痛みを緩和するために投与されたモルヒネの効用もあってか意識が混濁し、ベッドに横たわりながらも伝票をめくる仕草をやめようとせず、その姿を思い出すと今でもなんとも言えない気持ちになるのだが、重篤な病や加齢によって自我が失われようとしているときにとってしまう行動というのは、水の底から浮かんでくる泡のようにその人にとって重要であったり良きにせよ悪きにせよ思い入れのある言動や行いなのかもしれないと思っているが、そうなると今現在のオタクが歳を重ねて友人や親類の区別がつかなくなって歩くことすらままならなくなったら路上が「ああ^〜心がぴょんぴょんするんじゃあ〜〜」とか「笑えばいいと思うよ」とか「ためらってもダメだね〜」とか「いなりが入ってないやん!」とうわ言のように繰り返しながら徘徊する老人で溢れ、ヨハネスブルグとかとは違うベクトルでかなりヤバイ国になると思うのでみんな早く老化してほしい。