豆腐

まだ夏じゃない

20:37

配役をよりリアルに演ずるために短期間で極度の肉体改造を行ったり歯を抜いたりといったいわゆるデ・ニーロ・アプローチというやつは(実際にどうかはともかく)その役とどれだけストイックに向かい合っているのかが見た目で分かりやすくて、たとえば映画「マシニスト」で文字通り骨と皮になったクリスチャン・ベールであったり、全身ボロボロで落ち目のプロレスラーをミッキー・ロークが好演した映画「レスラー」なんかを観ると単純にすげーなーと思うし、最近だと実写映画版「俺物語!!」で剛田猛男を演じている鈴木亮平さんも作品ごとに外見が激変していて体に悪いんじゃないかしら大丈夫かしらと心配になるけどすげぇ根性だなと思うし、ただアンソニー・ホプキンスは役を演じるにあたってやるべきことは全部脚本の中に書いてあるからこういうやり方には否定的だそうで、まあそりゃ体づくりにどれだけ苦労したかなんて話の内容にはまったく関係ないからホプキンスさんの言わんとすることにもせやな、その通りやなとも思うけれども、ここだけの話実は俺も、無茶な案件ばかり拾ってきて責任は全部開発に押し付け手柄だけ拾うタイプの営業部長、他人を思いやる心の機微というものが欠落したフローチャートに基いて作成されたヒューマノイド・インターフェース開発部長、単に頭がおかしい事業部長など主に部長職以上のほとんどが狂っている環境に身をおいて入社から退社の間に体重が20キロ近く増加し、健康診断においては各数値でさまざまなハイスコアを叩き出すようになったりして心身ともに限界を迎えてギブアップを宣言しあてもなく無職になった中年、という役作りをしていた、ということに今したので、そういう配役を探している業界の方は今すぐにでもオファーをくださると俺が助かるので早く声かけたほうがいいですよ。