豆腐

まだ夏じゃない

頼まれてないけど不定期に海外ドラマを紹介する事にした

ようお前ら、肉食ってるか? クリスマスといえばプレゼントとかデートとかセックスだろうがまずは肉だろ。俺は近所のスーパーで3日前に買って忘れてた半額の鳥唐揚げ食ったぞ。今のところたぶん無事だ。カンピロバクターこわい。というわけで冬休みに何しようかまだ決まってない奴のために、HuluやNetflixで観ることができる僕の好きな海外ドラマをいくつか紹介します。書いてから気づいたけど全部犯罪関連ですね。クリスマスだから深層心理学的になんかあるのかもしれないですね。しらんけど。Dr.HOUSEやザ・キリング、トンネルとかシェイムレスあたりも入れたかったけど、長くなりすぎて疲れたので多分そのうちまたやります。今回のはNetflixで全部見られるから二週間だか無料のトライアルだけでも申し込んでおけ。ガキの使い年末恒例罰ゲームやGJ部が観たい奴はHuluも申し込め。

ブレイキング・バッド

Hulu、Netflixで配信中。完結済み。
生まれて初めて見た海外ドラマで、俺にとってある意味諸悪の根源でありオールタイム・ベスト。これまで何度も見ろと言ってきたがお前らが一向に見ないので見るまで紹介し続ける。
ガンを宣告された化学教師ウォルター・ホワイトが家族に遺産を残すため、メスことメタンフェタミン(いわゆるシャブ)の製造に手を染め、致命的とも言える道を突き進む物語。シーズン1は多少ダルく感じるかもしれないが、物語の進行とともに「道を踏み外していく」ウォルターやその相棒であるジェシー・ピンクマンから目が離せなくなる。ブラックな笑いが散りばめられていてつい笑ってしまうシーンもあるが全体的にはシリアスなトーン。しかし当初メス製造は目的のための手段でしかなかったはずなのに、命のリミットが近づくにつれてタガが外れていくウォルターの様は恐ろしくも魅力的。DVDなどの宣伝文句では確か「この男、どんどん悪くなる」と銘打たれていたと思うが、悪くなっていったというより、残り時間を知って元々内に秘めていた欲望や感情、ある意味子どものような部分を発露して行き着く所まで行ってしまったのだと俺は勝手に思っている。本当にヤバイのはただのしがない化学教師だったウォルターがメスを作ることではなく、ウォルターという存在そのものだ。下記エントリで本作について多少語っているけれど全然足りていないのでそのうちちゃんと書きたい(これも同じことを何度も言っているが結局やってない)。 windup.hatenablog.com

ベターコールソウル

現在シーズン1をNetflixで配信中。
先述のBrBaでは自分の事務所を構えテレビCMなんかも打ってたりしていて実際頭は回るし「その筋」絡みの仕事もこなす腕利きで、あととにかく口やかましいし実際に近くにいたら鬱陶しいことこの上ないけれどなんか憎めない人物として登場しているソウルグッドマンの前日譚。BrBaでは敏腕悪徳クソ弁護士として活躍していたソウルが、仕事といえば国選弁護人をつとめるばかりで金もなく、運もないもんだから必死であがいていた苦労人だったという過去が描かれている。ソウルの兄貴もまた弁護士でけっこう有名な弁護士事務所の重鎮なのだけれど(まず兄貴がいたというのがわりと驚きだ)、この兄貴もアクが強いというか、というかそれはBrBaに出てくる連中全員そうなんだけど、それはともかくこの兄貴が自称電磁波アレルギーで自宅から出られなくなってしまって、当然電気は使えないから明かりはオイルランプだし冷蔵庫も使えないからクーラーボックスで代用してるし携帯電話なんかもってのほかで、普通に考えれば精神的な問題ですねで片付けられそうなところだが、ソウルはそんな兄貴を甲斐甲斐しく世話するのよ。BrBaを見たら利得の勘定でしか動かないと思われるソウルがね。ただ弁護士としては駆け出しだから色んな奴にナメられるし甘く見られて色んなことがうまくいかない。うまくいきそうでもいいところだけ掻っ攫われたりして、あのソウルがこんな苦労しとるとは、とついしみじみしてしまう。それでも地べたを這うように、手痛い目にあっても前に進もうとするソウルが実によい。でも敏腕悪徳クソ弁護士としての片鱗はあって、たとえば物語の序盤で、BrBaに登場しているとある脳筋野郎と行う「示談」はその内容のアホくささとソウルの必死さも相まってめっちゃ面白い。あ、ブレイキング・バッドの前日譚という設定だから、まずはそちらを観るように。

ナルコス

現在シーズン1をNetflixで配信中。
Netflixオリジナル作品。史実を元にしたフィクションという体で進行するドキュメンタリー形式のドラマ(ややこしいな)。パブロ・エスコバルという実在の麻薬王をモデルにした人物と捜査官・政府の戦いを描く。ドラッグ絡みというとBrBaみたいかというと全然違っていて、コカインの密造・販売で巨万の富を得たパブロは文字通り麻薬王としてやりたい放題しておって、カルテル同士の争いで当然のように人は死ぬし、警官たちはパブロとズブズブで、アメリカへの密輸を鼻くそほじりながら見逃すし、金があればなんでもできるといわんばかりに議員に立候補して受かっちゃうし(ただこれは麻薬密売がバレてアカンようになる)、自分で自分たち用の刑務所を用意して引きこもって酒のんだりビリヤードしたりと本当にやりたい放題。そんなパブロによるコカイン流入が増加しこれは看過できんぞとアメリカ政府やコロンビア政府がどうにかしようとするんだけど、パブロも黙っているはずがなく金といえば権力もご一緒にいかがですかといわんばかりに勢力を拡大していく。当然待っているのは血みどろの抗争でその行く末は一体どうなるのか、というお話。金、暴力、ドラッグ!

オレンジイズニューブラック

現在シーズン3までNetflixで配信中
Netflixオリジナル作品。女子刑務所に収監された主人公とメッチャクセのある囚人たちのはなし。これも実話がベースのドラマだそうです。主人公はかつて犯した罪のせいで女子刑務所にブチ込まれるんだけれど、そこがもうあらゆる人種や性癖の持ち主のるつぼで、わりとお勉強ができるし(頭がいいとイコールではない)わりと甘ったれた生き方をしてきた主人公は最初のうちこそこんなところにおられるか、気ィ狂うでホンマ! と不平不満ダラダラなんだけれど、それでもクッソ濃い囚人連中となんとかやっているうちに適応してきて、それなりにうまくやっていけるようにはなるんだけれど、こいつほんと頭悪いというかうっかりいらん事いって余計な荒波立ててトラブルを招くこともしばしば。まーたこいついらん事しやがったと見ていて思わずため息ついてしまうが、ほかの囚人たちも当然シャバで罪を犯してブチ込まれてるわけで、中絶手術を行っている病院で銃をぶっ放してその手の団体に法廷でエールを送られながらドヤ顔で有罪判決を受けたキリスト教徒や、将来を有望視されていたけれど遊んでみたい年頃だったもんだから勇気を出してこっそりヤバそうな連中のパーリィ行ったらギャングのボスに「お前は将来があるんだから帰れ」って言われたのにつまらん男に引っかかって窃盗で捕まった陸上選手など各種いらっしゃっていて、またさっき性癖といったがガッチガチのレズビアンが所内で貪欲にセックス相手を探していたり、ちょっかい出された黒人が「ワイ黒人やぞ、それ差別やで〜〜」と騒いだり、職員もまた食材を搬入するトラックを利用して所内にドラッグを持ち込み囚人相手に流したりと、観ているうちに、まあそれくらいの事なら別にいいんじゃねえの? といい感じに混乱してきて面白い。ちなみに主人公には売れないライターをやってるフィアンセがいて、主人公のいとこのおっさん相手に僕はどうしたらいいんだとか言ってたと思ったらオナニーの話になって、イク時に出さない方法を試したか? キンタマの下あたりをグッと掴むんだ、などとアドバイスされて実際に試したり、あまつさえそれを記事にしようとして当然ボツ食らったりとこっちも負けじとボンクラなのだが、後にこいつがラジオに出演し、主人公や主人公と面識のある囚人のことを勝手に語ってまたややこしい話になったりする。まともな奴はひとりもおらんのかこのドラマは。しかしなんというか悲壮感みたいなものはそれほど感じず(当然ずしりとくる場面も多々あるが)、むしろムハハと笑ってしまう。またノンケであったりそうでなかったりみたいないわゆるLGBT、また黒人白人ヒスパニックといった人種差別のような問題にかするどころかどストレートな発言が作中では当然のように飛び交うんだけれど、それに対してガチギレする奴はおらず、むしろある種のブラックジョークやじゃれ合いのように機能していて、味方でなければ敵だというような短絡的思考をされる一部の方々に見せたらどんな反応するのかしらと思ったり思わなかったりする。