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豆腐

まだ夏じゃない

カインドオブブルー

note

これはなかなか良い坂だな。一目見て、まずそう思った。ゆるやかな勾配や控えめなうねり。水こそないがその坂は閑静な住宅街を流れる川のように上へ上へと続いている。あたりを見回すと、古い造りの石塀で、年老いた三毛猫があくびをしている。ちらちらと舞い散る梅の花とあいまってなかなか絵になっているが、三毛猫は我関せずと毛づくろいをしている。このあたりに仏閣でもあれば、この坂はそこへ伸びているのかもしれないが、あいにくこのへんの土地勘がない。そのあたりに案内板でもと思ったがやはり見当たらない。人の姿もない。腕時計を見ると午後の3時を回ったところで針が止まっていた。いや、正確には秒針だけが心臓のように脈打ってはいるものの、それは進もうとしては戻りを繰り返していた。電池切れなのか、それとも故障か。いつからそうなっていたのかは分からないが、これでは時間も分からない。区切りの記念にと剛たちからプレゼントされて以来元気に動き続けていたのだが。まあいい、今はもう決まった仕事があるわけではない。空の明るさから夕暮れまでにはまだ時間があるだろう。なによりこんな良い坂に出会ったのだ。少し歩いてみるのもいいだろう。そう思って俺はゆっくりと坂を歩き始めた。口笛でも吹きたくなるような気分だ。試しにSo Whatでマイルスが奏でている旋律を真似て口笛を吹いてみたが、老人の寝息のようなかすれた風の音が出るばかりで苦笑した。だが悪い気分ではない。なかなか悪くない。

というような、今際の際に夢のなかで高い場所へ続く坂を登りながら過去を回想するタモリのモノローグ短編を読む夢を見てなまら続きを読みてえんだけど、今はまだタモリさんお元気そうだし、おそらく今後もタモさんがそんなの書くことはないから、これは完全に俺の脳がなんかの加減で勝手に想像したフィクションなのは重々承知ですが誰か続きを書いてくれないっすかね、とお願いしてもたぶん誰も書かないので今日は大半をこのフィクション短編がこの先どうなるのか妄想して過ごしていました。たのしかったです。聞かれてないのにこの後の展開を語ると、本人は夢の中だと気づいていないけれどタモリは自分の人生についてあれこれ振り返りつつ、折々にタモリと関係がありそうな有名人にタモさん帰りなよと声をかけられるんだけれどタモリは何のこっちゃと坂を登り続けながら少しずつ自分の状況を悟り、坂の頂上付近で振り返ると、草なぎ剛やさんまやたけし等がタモさんに何かを語りかけているけれどもう戻ることはできないと知っているタモリは、葬式なんてやらずにただ埋めてくれりゃいいけれど、もし葬式をやるのなら、弔辞は誰が読むのかな。たけちゃんあたりかな。でも勧進帳ネタは俺がやったからもう使えないぜ。笑える弔辞にしてくれよ。そしてタモリは微笑みながら光に包まれた坂の頂上を目指して再び歩き出し、場面はタモリの病室に転換。控えめの音量でマイルス・デイヴィスのアナログ盤が再生されている病室で、タモリは安らかな微笑みを浮かべながら、友人や戦友たちに見送られるのです。というところまで考えたんで、あとは適当に補完して誰か書いてくれよな〜頼むよ〜。

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