豆腐

まだ夏じゃない

基準/もどき/汁

各地の名物料理は現地で食うのがいちばんであろうというのは間違いないと思うのだが、生来の出不精かつデブShow誰がデブだ殺すぞ真実という毒で人を殺す過ちを繰り返すな死ねやボケ、ともかくめんどくさがりなので旅行と呼ばれるようなものはほとんどしたことがなく、どっか行けばそれなりにワクワクするので別に旅行が嫌いというないわけではないんだけれど、先に申し上げたようにとにかく面倒は勘弁してつかぁさい、北海道に骨を埋めさせてください、飛行機とかマジめんどい……と土地とか川とか、なんかそういう感じの神様を拝み続けてはや36年ですが、そのようなことをしておりますゆえ現地でご当地グルメを食ってうめえ云々みてえなことは数えるほどしかなく、食ってみてえ各地の郷土料理や名物料理はあってもこっちにそういう料理を出す店にでも行かねば食えねえわけですが、おおよそ人が作るものであれば中身さえわかれば誰にでも作れるはずなんだから自分で作りたい、自分で作ってすませたいと思うわけでして、今俺やお前らの目の前にあるインターネットを使えばレシピはいくらでも見つかるのでそれにしたがってなんとなく作ればなんとなくそれっぽいものが出来上がって、なるほどこれがあの料理なのかあ、なかなかおいしいなあと思うも結局お手本というかこれがあの料理だという基準がわからんので、現地の人にこれはそちらで古来より長く親しまれておるあのお料理でございますと言ったら殴り殺されるかもしれんなあと考えることもあるが、料理に定石はあれど正解はなしというのが俺の料理のモットーなので、それっぽく作ったゴーヤチャンプルもどきが果たして沖縄の人に認めてもらえるのだろうかなどと考えたところで意味がない、俺がおいしいなあと思って食えたらそれでいいじゃないですかと思うわけでしてゴーヤチャンプルはわりと好きな郷土料理のひとつですが、ここ数年夏になると作るのが宮崎とかで有名な冷汁でございまして、焼いてほぐしたあじと胡麻と味噌などをすり混ぜて火であぶってやや焦がしたものを水でといてきゅうりみょうがなどの薬味を加えて冷やしたものを水洗いして冷やしためしにぶっかけて食うというその調理工程や食べ方を知ったときは、こんなクレイジーなものを郷土料理と呼ぶ宮崎人とは一生分かり合えないのではなかろうか、日本国内で分かり合えないのならぼくたちは一生だれとも分かり合えないという孤独そのものを共有するしかないのではなかろうかと悲嘆にくれた記憶はないが、無印良品で売ってたレトルト冷や汁を食ってみたらわりとおいしかったのでモノホンがどういうものなのかは知らんがとにかくそれ以来冷や汁がわりと好きでして、特に今年は北海道のアホもバカみたいに暑くてサラッと食えるものが食べたいわあと思ったら冷や汁もどきをたっぷり作ってガバガバ食っておりまして、しかし残念なのがさっき言ったように実は冷汁の調理工程わりとめんどくさくて最初は俺も頑張ってアジをほぐしてすり鉢ですって火で炙って……とやってみたが、毎度こんなことやるの面倒だなあ、どうせ本物知らんし、それっぽい感じになればいいからうまい手はないかなあと試行錯誤を繰り返した結果、ノンオイルツナ缶と塩分や調味料を含まないだし粉とパック入りのいりゴマとネギきゅうりしょうがなどをボウルに叩きこみ、味噌砂糖醤油あたりを味見しつつ目分量で入れて水で溶いて完成という、今度こそ宮崎人に殴り殺されて畑の肥料としてバラ撒かれても仕方のない冷や汁もどきと呼ぶのも恐れ多い何かに変化してしまったが、これはこれで冷や汁欲が満たされるのでこれからもこのやり方で冷や汁ではない何かを作るだろうし、最近はツナ缶も入れないから魚分が消滅して代わりにもめん豆腐が投入されるようになり一層よくわからない食べ物になっているが、まあいいじゃないすか、ほぐして摩り下ろして炙って云々とか面倒なんすよ、もういいじゃないっすか……もう殴らないでくださいよ……指全部折れちゃいましたよ……勘弁してくださいよ…………(ちなみに宮崎には一度だけ行ったことがありまして、ホテルの近くにあった居酒屋でチキン南蛮とかじゃこめしとかたらふく食って大変おいしかったのを覚えております。食い過ぎたせいで翌日猛烈な腹痛に襲われてチェックアウト時刻を大幅にオーバーしたこと、デバッガの短期バイト枠だった俺をシステムリプレースの現場に立ち会わせやがったこと、現場行って二日目に豪快な寝坊して宮崎の温暖な気候とは無関係なヤバイ汗出まくったことを除けば、ぜんぶよい思い出です)

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