豆腐

まだ夏じゃない

22:58

どうにもハンバーガーというものが苦手であって、別にこれはマックがまずいとかそういう話ではなく、というか各社のハンバーガーを食ってこれはうまいねとかそうでもないとか言えるほどハンバーガーを食っておらず、要するにハンバーガーとほとんど触れ合うことなく生きてきて、ハンバーガーのことは肉やら野菜をパンで挟んだ食い物程度の認識しかないからであり、思えば我が家は外食というものをあまりしてこなかったし、そもそもおれが幼少のころは北海道が日本国に統合されて間もない時代であって、そんな北海道のさらに辺境の地においては、世間ではファストフードの代表として扱われているハンバーガーを販売する店舗自体存在していなかった、あるいは親の方針でそういったものから距離を取られていたがためにハンバーガーとの距離の取り方がわからず、手軽に食えるファストフードのはずのハンバーガーに対して妙にシャレオツな食い物みたいなイメージがあったりもして、未だにおれはハンバーガーという食べ物とどのように向きあえばよいのか分かっていないわけで、こんなことではいかんだろうと年に二度くらいは消極的選択としてあえてハンバーガーショップに赴くのだが、一般的に評価が高いとされるモスバーガーであってもなんとなく美味しいような、そうでもないような、っていうかやっぱこれパンで肉挟んだだけの食い物だよな、ていうかなんでこんなに食いにくいんだよこのパンと肉はどうにかならんのか、とハンバーガーの良いところを見つかるどころか、かえって憎悪を抱く始末で、そう、おれはハンバーガーを憎んでいるのかもしれないと今認識した次第で、ハンバーガーサイドとしてはおれのこのような言いぶんは逆恨みもよいところで、というか逆恨みそのものでしかなく、そんなこと言われても困るんですけど、と戸惑いの色を隠せないとは思うが、こちらもいい大人というかいいおっさんであるから自分で言い出した手前なかなか身を引くこともできず、おれとハンバーガー間でにわかに緊張が走っていると時事通信が今日の夜伝えた。