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豆腐

まだ夏じゃない

コネクト万能説を検証するシリーズ 「おれ編」

本とか映像とかそういうの trash コネクト

以前鉄格子クラスタのテーマ曲であると断言したClariSの名曲コネクトだが、今日Visual Studioデバッグビルドを実行しようとしたらPCごとフリーズした瞬間、これは鉄格子のテーマであると同時に、おれのような三流プログラマのテーマであるのでは? という天啓を得たのでここに記す。

 

交わした約束 忘れないよ 目を閉じ 確かめる
押し寄せた闇 振り払って進むよ

交わした約束とは脳機能が停止している営業が「ダイジョブス、ダイジョブスー」と客の要望をまるまる飲んで持ち帰ったという意味であり、「現在のリソースでこの仕様を実現しようとするならどう考えてもこのスケジュールは破綻すると思うんすけど」「大丈夫でしょ。ちょっと◯◯変えるだけでしょ?」「(ちょっとじゃねーしおめーのヒアリングがいつもいい加減で地獄見るからもっと仕様詰めろっつってんだ……)」と怒りで目の前が暗くなるが、所詮は三流、やるしかないと半ば諦めてそれを受け入れるおれの様子が描写されている。

いつになったら なくした未来を
私ここでまた 見ることできるの?
溢れ出した 不安の影を
何度でも裂いてこの世界 歩んでこう

ストレスや加齢により、ドライマウスや不眠、著しい肉体疲労などに悩まされている日々が続いているが、いつか健康な心身を取り戻せるのだろうか? いっそ仕事を辞めてしまって療養できればいいが、金もないし、西洋医学での対処療法でごまかしつつやりすごすしかないというおれの破れかぶれっぷりが見て取れる。

とめどなく刻まれた 時は今 始まり告げ
変わらない 想いを乗せ 閉ざされた扉 開けよう

「まじ仕事したくねーなんだこのクソ仕様お前客と一体なに話してきたんだよクソが時間ねーしもう知らねえこの辺は最低限動くようにはするがお前は絶対いつか殺す酒飲みてえ」と開始早々炎上必至のプロジェクトと営業に激しい怒りを抱きつつ実装をすすめるおれの力強い決心が鮮やかに描かれている。
 

目覚めた心は 走り出した 未来を描くため
難しい道で 立ち止まっても空は
綺麗な青さで いつも待っててくれる だから怖くない
もう何があっても 挫けない

唯一シャバの空気を味わえる昼休み、めしというよりは餌のように食事を腹におさめ、ふと見上げた空はどこまでも青く、その一瞬だけ生きているような錯覚を味わうおれ。何があってもくじけないというのは単に言ってみただけでありいわば皮肉、そうつぶやいているときの顔は醜く歪んでおり、死ぬならあのボケ殺してから死んでやるという気持ちの現れであるのは言うまでもない。

 

振り返れば 仲間がいて
気がつけば優しく包まれてた
何もかもが 歪んだ世界で
唯一信じれるここが救いだった
喜びも悲しみも 分け合えば強まる想い
この声が届くのなら きっと奇跡は起こせるだろう

 案の定スケジュールは逼迫し、コーディングも手を抜けるところはどんどん手を抜くようになってきた中、ふと周囲を見回すと、同僚や先輩たちも死んだ目をして手だけを動かすような状態に陥っており、ああやっぱりみんな同じきもちなんだ、がんばらなきゃ、と少しだけこころが安らぐおれであるが、このような「みんな苦しいからおまえもがんばれ」的な思考がときに人間を殺すのであり、頭もこの状況もマトモじゃねーだろ! と声をあげるべきなのだが、疲弊によりそういう発想に至らない状態になっており、たまにだれかが体調不良で休んだりすると、なんで休んでんだクソが、と思うし、自分が休んだときは、ああみんなに迷惑をかけてしまった、どうにかしないと……と、やはり正気ではない思考に陥るのが俗に言うデスマーチである。地獄の釜がついに開いたのだ。

 

交わした約束 忘れないよ 目を閉じ 確かめる
押し寄せた闇 振り払って進むよ
どんなに大きな壁があっても 越えてみせるからきっと
明日信じて祈って

大きな壁というのは当然リリースに向けたスケジュール(という名の皮算用)のことであり、闇はデスマーチを表している。本格的なデスマーチに陥ると、とにかく見た目の動きだけはまともにして、まずベータとしてリリースし、深刻な不具合はあとからアップデートで対応しようそうしよう、とようやくプロジェクト管理者たちも事の重大さに気づき、それでもカットオーバーにはなんとか間に合わさせようとひとの尻を蹴り上げ 、なぜこうなったのか等ブーブー文句言い始めるが、ンなもん最初にできねーつっただろボケが、管理できねえのに管理者とか名乗んなハゲ! と開発との溝は深くなるばかりであり、しかしながら開発もどげんかせんといかんという気持ちは一緒ではあるので、時間という概念を忘れて開発に勤しみ、なんとかなりますように、とここにきてようやくプロマネと開発の気持ちはひとつになり、「まあなんとかなるんじゃナイっすカァ〜〜?」「なったらイイッスネェ〜〜」という投げやりな祈りが合言葉になる。

 

壊れた世界で彷徨って私は
引き寄せられるように辿り着いた

 しかしそんな祈りが通じるなら、そもそもデスマなんて発生しないわけで、はなっから「無理だべこれ」という予測とともにはじまって、案の定炎上したよどうすんの、というところで、客の要望と開発側での認識がズレていたことが発覚してちゃぶ台返しバーン! ということも往々にしてある。壊れた世界はこのようなちゃぶ台返しを指している。こうなるといよいよ正気が失われ、ああ殺したい! 自分は誰を殺せばいいんですか! それとも自分が死ねばいいんですか! 二度と来るつもりのなかった極限状態にHello, World、また来ちゃった♡ などと30秒に1回くらいのペースで考えるようになる。辿り付くつもりはなかったのに辿り着いちゃったおれの様子を、たった2行で非常に的確に表しているといえるだろう。

 

目覚めた心は 走り出した 未来を描くため
難しい道で 立ち止まっても空は
綺麗な青さで いつも待っててくれる だから怖くない
もう何があっても 挫けない

 

ずっと明日待って

「(やっぱこれ無理だわ)」「お客さんにできるって言っちゃったし」「(知らんわ)」「お客さんに謝らなきゃなんないじゃない。それじゃウチの評価下がるよ〜」「(殺人って初犯だと何年食らうのかなあ?)」現世に顕現した地獄であるデスマーチ、その中でヤバイ世界に目覚めちゃったおれはもう空を見上げる力もなく、時折脳裏をちらつくその青さの残像に焼き殺されるのでは、と妄想する。何があってもくじけないのではなく、挫けてもよいという発想ができない状態に陥っているおれ。連日の終電での帰宅に、いつかまた本物の青空を見ることができるのだろうか、そんなことを考えつつ、明日もまた見えざる炎を鎮火すべく、泥のように眠る。また明日がやってくる。明日はいつまでもおれを待っているのだ。

 

だいたいなんでもコネクトの歌詞にこじつけられるんじゃね? と思ってやってみたはいいが、思いのほか陰惨な気分になったのでこのへんでやめる。幸い現在は比較的平和です。今のところは。今のところはね……

 

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